【読書メモ】USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略
最近会社でSOE(Systems of Engagement)を考える機会があったので読んでみました。
USERS 顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略
- 作者: アーロン・シャピロ,萩原雅之,梶原健司,伊藤富雄
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2013/09/03
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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SOEとは
IBM Emerging Technologies - jStart - On The Horizon - Systems of Engagement
環境の変化によって登場した「Systems of Engagement」にどのように対応するか | ストレージ・サーバーニュースポータル
平たく言うと、
既存のアプリケーションと違い、TwitterやFacebookのデータ・ユーザー(潜在的な顧客)をどう扱うかという話だと思います。
まだ日本語で言及しているサイトはあんまりない感じ。
この本はSOEというキーワードはないものの、
古典としてお勧めだから読んでおきなさい、との事。
っていうかSOEって弊社の造語?まあいいけど。
制約があるからこそコミニケーションは活性化する
この本で一番面白く感じたところ。
自由にHPを作成できる「マイスペース」(以下MS)よりも厳格に定義された「Facebook」。
(FBは)標準化されたウインドウにテキストを書き、リンクを張り・・・。しかしユーザーにとてはそれで何の問題もなかった。なぜならフェイスブックは楽しい体験を与えてくれたからだ
そうかー。。
その流れは感じるけど。
FBの面白さとMSの面白さは観点が違うよね。
自分がクリエイトできることが面白い→MS
自分だけが持っているコンテンツ(※)が自由に引き出せて面白い→FB
※たとえば旧友の田中さんの近況は、
自分にとってはすごく面白くて価値があるけど、ほかの人にとって価値はない。
FBはコンテンツを作りだすというよりも、人そのものがコンテンツと感じる。
クリエイティビティがあまりなくて、
FBの解釈したルール上でしか自分を表現できないから
自分はあんまり好きじゃないけどな。。。
でも便利であることは認めるし、そもそも観点が違う話。
「制約があるからこそコミニケーションは活性化する」というよりも
そもそもクリエイティビティとコミニケーションは別の話。
コミニケーション上で皆が紡いでいるものはクリエイティビティではない、
と私は思う。
コミニケーション上でやり取りがあってアイデアが生まれるという
「クリエイト」はあるだろうけど
コミニケーション自体はクリエイティビティではないと思う。
以下は面白いと思ったところメモ
ユーザーとはメディア・テクノロジーを解して企業とやり取りする「すべて」のひと。
→上でユーザー(潜在的な顧客)と書いたけど、「ユーザー」「顧客」の分け方がすでに古いという論調。
かつては企業と消費者の接点は店舗と広告だけ。
今は企業とユーザーの接点はあらゆるところに無数にあらわれる。
→企業がソフトウェアの膜で覆われたようなイメージ。
個人資産管理ソフト「ミント」の勝利の歴史
「GAPの買い物カゴ」
ショッピングを中断することの内容、商品をカゴに入れたときはポップアップでお知らせする
→「店頭と同じ」をオンラインでも実現
「こうすれば便利だからー」って仕様が決まることは自然だと思うけど
「リアル(オフライン)での体験と近いものを」っていう視点はなかった。
「本当にファンが欲していたものは、きちんとしたプロが撮影した写真絵はなく、ミュージシャン自身から発信されるリアルなコンテンツだった」
アクセス解析、ユーザーのサイト上での行動記録。
→FAQを見やすく・大きく(本当に必要なもの)
同心円型の組織・システム
例えばグローバル企業において、アメリカと同じシステムを全地域で使えば良いというわけではない。
でもバラバラもよくない。
→汎用性の高い標準デザインと、地域にあわせた調整を可能にするカスタマイズ。
→スキルのない編集者でも世界統一の取れたデザインの記事を作成できる
→共有できる資産の拡大(世界中の担当者がライブラリから参照した記事で、自分たちの記事を補完する)
顧客の情報取得能力が向上し、
他社に頼りっぱなしだった「顧客」から「ユーザー」へと変化した。
→このあたりは販売士の教科書や受験でも言われていた
(とはいってもまだまだ現実を直視していないレベルではあったけど。「小売」の世界の中では直視したくない現実であることは分かるけどね。。)
オムツを売るビジネスをしているのではない。
親たちの頭痛とストレスを防ぐビジネスをしているのだ。
ペプシは広告費を大幅カットし、慈善事業プロジェクトに割り当てる。
ユーザーとの繋がり。
ユーザー体験の優先(あからさまなセールスメッセージを送り付けたいという衝動を抑えての)。
独自のインボックスを作るのではなく既存のそれ(Gmail、Twitter、Facebookなど)を利用したマーケティング
「ソーシャルショッピング」
WetSeal.comの取り組み。「友達と一緒に買い物」
デジタルでのショッピング体験に「友達」を取り込む
→うーん、、自分はこういうショッピングはわずらわしいと感じてしまうかも。
でもさ、物って「見てたらほしくなる」よね。
見たり、「10日間無料お試し」をする事によって、
脳がこの商品を所有したと勘違いすることに起因すると思う。
所有したものを再び手放すためのコストは、往々にして高くなってしまうので、
手放すことは確立として低くなる(見てたら買ってしまう、無料お試しをしたら返品しなくなる)
いかに見せ続けるか、って肝だなと。
ヤフオクのウォッチリストはそういう意味で鬼門!
ウォッチリストにあんなに(わざとらしいほどに)追加しやすくなるのもちゃんと意味がある。
こういう話に興味があるなら、この本が結構発見があって面白いです。
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
- 作者: ダンアリエリー,Dan Ariely,熊谷淳子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/11/21
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話がそれた。。!