エンジニアが見た「販売士2級」の世界 (管理知識/技術 編)
以前の記事でも書いたとおり、
自分は「販売士」という比較的レアな資格を持っていまして。
せっかくなので普通普段は縁がない、小売業の「働いてる側」を、
私目線で切り取ってお送りしようと思います。
試験の詳細は以前の記事をご参照。
今回は「管理知識/技術」
販売士の学習内容は2部構成です。
・一般流通常識
・管理知識/技術
以前に一般流通常識を扱ったので、今回は「管理知識/技術」編となります。
主な内容
2級で扱う内容は以下の通りです。
人材マネジメント
仕入れ活動
店舗経営
市場調査
3級は「管理知識/技術」が範囲外であり、2級は店長クラスが受験する想定のようです。実際大手デパートでは店長やフロア長にこの販売士2級を義務付けているところもあるとか。
ぶっちゃけ
せかい目線で内容を見るとこんな感じです。
人材マネジメント
⇒部下の評価方法やダイバーシティーの重要性など。あんまり小売色はない。仕入れ活動
⇒サプライチェーンや電子商取引、新しい取り組み(ソーシャルメディアの活用)。店舗経営
⇒ようはパートタイマーの使い方術。市場調査
⇒ようはライバル店調査方法。「視察時には大勢で固まらず、何か一品でも買いましょう」とのこと。
興味深い点
顧客を中心に置いたサプライチェーンマネジメント(SCM)へ
従来は製品を川上から川下へ流す、一直線型のSCMであったものが変化しているとのこと。
その名も「顧客を中心に置いたSCM」だそうだが、イメージはちょっと難しい。
だってSCMっていったら、物の流れをイメージするし。そうなると中心に顧客を置くってちょっと無理がないかな。。
教本にはこのように記載されています。↓
インターネット販売やファクトリーアウトレット、SPA(※1)など、小売業以外から消費者にダイレクトに販売する傾向に拍車がかかっている。流通の中抜きならぬ、下抜き現象が起きている。
従来の川上・川下に関係なく、最も消費者に近づいてアプローチできる企業が勝者となりうるのである。
うーん、、確かにそれらの例は従来のSCMの考え方ではないけれども、「顧客中心SCM」ではないでしょう。
単に「川下抜き」をしているだけだよね(もっと正確に言うと『川下への他企業の参入を防いでいる』か)。
教本には[サプライヤー/メーカー/卸/小売」が仲良く消費者を囲んでいる絵があるけど。。。これって小売業が夢見る単なる理想像では。
苦しいんだろうなあ・・・。情勢。
ぐぐってみても「顧客中心SCM」への言及はなく、どうも概念として広がっていないみたい。
※1:
SPA(Specialty store retailer of Private label Apparel:アパレル製造小売り企業)。
例えば、ユニクロ。
「人月」の概念をお勉強!
SIerではおなじみの概念「人月(にんげつ)」。
SIerでは「もう人月の概念じゃだめなんだー」って言っているけど。。
小売はようやく認知され始めたという段階? #あくまで教本的には。
…商品の補充で10人時の仕事があるとする。この仕事とは、1人の人がやったら10時間かかる仕事のことを意味する。2人でやったら5時間かかる仕事でも10人時…(略)…
例えば定番商品の補充作業に10人時かかるとしよう。それを1人で行うのか、複数で担当するのか、によって要因計画は違ってくる。
まとめ
全体的に内容が「今」を反映していなく、残念な気持ちになったのですが、
考えてみると小売(除くEC市場)自体がこの程度なのかもしれない。
となると、まだまだIT化の波で小売業界が変わる余地があるのかも。
5年後の教本が楽しみです。